「埼玉 妊娠支援市民講座」を開講します

3月に茨城で開催された、
「妊娠支援市民講座」
埼玉でもぜひ開催して欲しいと後押しをいただきまして、
この度、埼玉県内で開催することにいたしました。

 

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(平成29年3月11日 常総市後援「妊娠支援市民講座」講師の時の様子)

4月21日(金)に、茨城県庁でお話しをさせていただいた内容を掲載いたします。

ご参加の前に一度ご覧になられてみてください。

 

不妊と漢方

不妊ではなく未妊と考える

 

記者 今日は茨城県古河市の『古河漢方堂』店主、漢方薬剤師の山川純正さんに、「不妊と漢方」についてお話を伺います。山川さんは不妊で悩む多くのご夫婦をサポートされていて、講座も意欲的に開催されていますね。

山川 はい。今年3月から、不妊治療中の35~45歳の方を対象とした講座を、地元の古河をはじめ、つくば、水戸、さいたまなど各地で開催しています。店舗でのご相談は女性1人でいらっしゃる方が多いのですが、講座になると6割以上がご夫婦2人でいらっしゃいます。講座だと男性も参加しやすいのでしょうね。

記者 講座に参加したことが、お二人で妊娠に向けて取り組むきっかけになるといいですね。

山川 そう思います。夫婦間の愛情について、女性は結婚したときがピークで、しだいに冷めていくというデータがあるんです。お子さんが大きくなった頃に、お父さんが煙たがられる存在になるか、頼られる存在になるのかは、妊娠・出産までに男性がどう関わってきたかで違ってくるはずです。それに、そもそも不妊の原因が女性だけにあるケースは、全体の半分以下なんですよ。

記者 最近は「男性不妊」という言葉も聞くようになりましたね。不妊治療をうまくいかせるためにも、将来のご夫婦の関係のためにも、二人で取り組むことが大事なんですね。具体的には、何をしていったらよいのでしょう?

山川 お二人で取り組んでいただくのは、妊娠しやすい体づくりです。一般的に、生殖年齢の男女が妊娠を希望し、1年避妊することなく性交を行っても妊娠しない場合を不妊という、とされています。しかし私は、妊娠できない「不妊」ではなく、まだ妊娠していない「未妊」が正しい言い方だと思っています。いま赤ちゃんができないような理由があるだけ、どこかがずれてしまっているだけなんです。

記者 何らかの理由で妊娠しづらい体になっているけれど、そこを改善すれば妊娠しやすくなるということですね。

山川 そうです。私達が行っているのは、妊娠しやすい体づくりのお手伝いです。健康な男女が1回の排卵日の性交で妊娠する確率は約8%。基本周期は28日なので、1年で13回妊娠のチャンスがあります。その13分の1の確率を10分の1に、7分の1に、とにかく上げていくための体づくりをします。

すでに不妊治療をしている方でも遅くありません。先日も、人工授精7回、体外受精3回を経て相談にいらした39歳の女性が、1年間体づくりに取り組まれて、5回目の体外受精で見事妊娠しました。この体づくりに、1日でも早く取り組んで欲しいと思っています。かなり多くの方が、不妊治療に行ったら病院で「遅い」と言われているようですが、遅いといっても仕方ない。ただ、始めようと思ったそのとき、できるだけ早く取り組むことが大事です。いままでと同じことをやっていたのでは、ブレーキをかけずに崖に向かっているのと同じ。少しでも早くブレーキをかけてハンドルを切っていただきたいんです。

記者 病院での治療と漢方での体づくり、同時にもできるんですね。

漢方が得意なこと

山川 はい。西洋医学の技術革新は目覚ましく、若い女性の卵子にお母さんの卵子の核だけ入れて受精させるなど、新たな試みに成功しています。しかし一方で、卵子の質、精子の質を高めるというようなことは不得意です。漢方では、そういう西洋医学が苦手な部分をフォローできるので、ぜひ取り入れていただきたいのです。卵子も精子も老化していきますから、いまから、できるだけ早めに取り組んでいただきたいです。

記者 精子も老化するんですか? 卵子についてはよく聞きますが、男性は年齢が高くても子供を作れるイメージがあります。

山川 老化は男性こそしっかり受け止めるべき問題です。男性不妊の半分はEDですし、生活習慣の影響で精子の質が落ちている男性はとても多いんですよ。男性が体づくりに取り組むことで、妊娠率は格段に飛躍します。

記者 男性はまず何からしていったらいいのでしょう?

山川 精子が一番元気に動ける温度をご存知ですか? 体温より2~3度低い、34~35度なんです。スマホを前ポケットに入れていたり、パソコンを膝の上で打っている男性を見かけますが、スマホやパソコンは熱くなりますよね。その熱で精子の質が落ちてしまいます。サウナ好きもおすすめしません。まずは、そういった日々の習慣の見直しですね。

記者 男性はまず熱に気をつける必要があるんですね。女性が気をつけるべきことは何でしょう?

山川 今月排卵する卵子は、いつできたものでしょう? ご存知ない方も多いのですが、半年前から作られてきたものです。つまり、半年をどう過ごすかで卵子の質が大きく変わるんです。とくに気をつけて欲しいのが食べ物です。冷え性の女性、多いですよね。冷え性の方は、野菜を食べるとき冷たいサラダではなく、温かい料理で食べることをおすすめしています。お水はどうでしょう?

記者 女性は、気を使って常温を選んでいる方が多いと思います。

山川 そうですね。でも、常温ではまだ体温より冷たいですよね。単純なことですが、冷え性の人は、自分の体温より低いものは口に入れないほうがいいんです。常温のお水ではなく、白湯がいいんです。また、多くの方が、もっとも排卵を邪魔する食べ物を好んで食べています。それはチョコレートです。

記者 チョコレートが悪いのはなぜですか?

山川 安価なチョコレートの成分はほとんどが油と砂糖です。無排卵、多嚢胞性卵巣症候群などで悩んでいる女性の多くが、質の悪い油によって排卵ができなくなっているんです。悪い油を摂るということは、卵巣にサランラップを巻いているようなもの。卵巣が油で覆われてしまっているんです。朝ごはんもパンの方、多いですよね。パン食だと悪い油も一緒に摂りやすくなります。

記者 朝食を変えるなどは、すぐにできそうですね。ただ、すでに食事や生活に気を使っていて、それでも妊娠できない方もいらっしゃいますね。

山川 そうですね。好き勝手していたのに妊娠した…そんなお友達の妊娠報告を聞いて複雑な思いをすることもあると思います。でも、昔から風邪をひきやすい人、ひきにくい人や、食べたらすぐに太る人、食べても太らない人っていますよね。妊娠できていない方は、ちょっと妊娠が苦手なだけなんです。そこは誰かの力を借りたらいいんです。

記者 たとえば漢方で体を変える、というようなことですね。

山川 はい。ここに関西で有名な不妊専門外来のデータがあります。病院での不妊治療(体外受精)に代替医療、おもに漢方を併用した場合、成功率は20~30%あがっています。妊娠が苦手な方は、病院の治療と体づくりを併用して、妊娠力を高めればいいんです。もちろん、ベースを作ってから病院の高価な治療に臨んだ方が断然、確率が高くなりますが、不妊治療をすでに始めている方でも遅くはありません。

記者 生活習慣や食べ物を変えて体づくりに取り組み、病院の治療を受ける。ほかにできることはありますか?

山川 排卵日にタイミングを合わたはずなのに、なかなか妊娠できないという現実があります。病院では、エコーを見て、「そろそろ明日です」と言われます。でも、それが当たっていたら、みなさんすぐ妊娠できますよね。じつは、理想的なタイミングは排卵日より最大6日も前なんです。もっとも確率が高いのは1~2日前です。精子は5~6日生きますが、卵子が受精可能な時間はわずか24時間。排卵してから精子が「それ!」と卵子に向かっても間に合わないんです。それよりは、精子が先に卵管采に辿り着いていて、精子が待ち構えているところに卵子がダイブするイメージが理想的なんです。

記者 卵子があって、そこに向かって精子が泳いでいくというイメージがありました。逆がいいんですね。

山川 そうです。もちろん、精子の質も大切です。もし精子が人の大きさだったとして、卵子に向かって、どれくらいの距離を泳ぐと思いますか? なんと人だったらハワイまで泳ぐほどの距離なんです。元気がなかったら、泳いでたどり着けませんよね。

記者 24時間というリミットがある中、そんなに泳ぐのは大変ですね。排卵日が早めに分かればいいのですが、排卵検査薬を使っても難しいのでしょうか?

山川 尿中にLHホルモンが出てからわかる排卵検査薬では、間に合わないんです。そこで私達は、東洋医学や先人の知恵を生かした考え方をお伝えしています。

記者 できることは色々あるんですね。妊娠してから、不育症に悩んでいる方も多いですね。

山川 そうですね。不育症に関しては、原因を考え、自分を責めている方もいらっしゃいます。でも、流産はお母さんのせいではありません。理由はいろいろあるけど、調べてみても取り組みようのないことばかり。だからこそ、まず卵子と精子の質を高めていくことが大事なんです。また、不育症に関しては、厚労省の研究でも「カウンセリングが有効」と発表されています。メンタルな部分がとても大きいので、私達が話を聞いたり、一緒に体づくりに取り組んで、自信をつけていただきたいのです。

記者 お一人で頑張ってきた方ほど、山川さんのような専門家と一緒に頑張れるといいですね。

山川 いま妊娠を望んでいる方に、ぜひイメージしていただきたいのです。

半年後、待望の赤ちゃんに恵まれました。その子が小学生になり、初めてのテストで60点をとって帰ってきました。そこで、なんて声をかけますか? 「がんばったね」そう言いますよね。では、いまの自分に、あなたはなんて声をかけていますか?

妊娠するために、あなたはいまの時点で100点満点頑張っています。悪いところをつつくのではなく、いまの自分たちのよいところを見てください。

いまから取り組む「妊娠力を高める生活」は、元気なお子さんを育てていくための生活なんです。質の高い卵子を育てる半年と、妊娠から出産までのおよそ1年。合わせてマイナス1歳半からの子育てが始まっているんです。

 

妊娠は偶然と必然の掛け算です。

「授かるのを待つ」のではなく、お二人で迎えに行ってあげてください。

私でよろしければ、いつでも一緒に伴走しますから。

 

【茨城 妊娠支援市民講座】にご参加くださった方からのご感想

妊活について知らないことが沢山ありましたが、講座を聞いてとても勉強になりました。何度も採卵し顕微授精・体外受精を受けてきましたが、精神的にも、金銭的にも、体力的にもつらく、あきらめようと思っていたのですが、今日のお話を聞いて前向きにもう少し頑張ってみようと思いました。今日から半年後「妊娠したと」笑顔で喜べるよう、旦那と二人で頑張ろうと思います。  土浦市 女性

 

ネットに書いてあることだけでは、わからないことや病院では教えてくれないことが聞けたのでたいへんためになりました。卵巣の写真や着床の写真も見せていただいて勉強になりました。気持ちを入れ替えて今日からまた妊活を頑張ろうと思います。 土浦市 女性

 

妊婦で講座に参加するのは初めてだったので、妊活に男性と女性で学ばなければならないことを二人で学ぶことができた。全て否定すること、自分だダメだから全てが上手く行かないと考える前に、自分の心にありがとうと大丈夫をいうこと。今までの自分には勇気のいることでした。ありがとうございました。 筑西市 女性

 

日頃の自分(我が家)の食生活が良くないことに気付かされました。そして主人が良く勉強していてくれたことも。このような機会をいただき、ありがとうございました。先日、IVF 1回目陰性で色々と調べていた時に、卵子の質を上げるためにはどうしたら良いのか、との中に漢方を見つけました。そんな時にこの話をいただき、話を聞き、できる事は何でも試してみたいと思いました。身体づくり、本格的に始めていきたいと思います。ありがとうございました。 日立市 女性

知識は少しずつ身につけていたつもりでしたが、その理由や原因までは考えていなかった自分に気づかされました。妊娠力を高める方法や、その仕組みも分かりやすかったです。お母様の優しい語りや、先生の「十分がんばってきた自分達を認めて」という言葉に涙が出てしまいました。ありがとうございました。  常陸太田市 女性

妻に話を聞き、正直なんとなく参加しましたが、参加できて本当に良かったです。今まで不妊治療をしていましたが、自分自身はあまりやれることがないかと思っていましたが、食事や生活習慣など、やることが沢山ある事を知れて良かったです。 笠間市 男性

 

このお話の続きは、下記の会場で

『埼玉 妊娠支援市民講座』
【日程】

6月25日(土) 越谷市
越谷中央市民会館 第15会議室 定員24名

7月1日(土) 川越市
ウェスタ川越 会議室1 定員30名

7月8日(土) 大宮市
市民会館おおみや 第5集会室 定員30名

7月9日(日) 浦和
浦和コミュニティセンター 第11集会室 定員20名

全会場 9:30〜11:30

となっております。

【会費】無料

【お申込み】

0280−33−7055

月〜金 10〜19時 土 10〜18時 日・祝定休

「市民講座の予約の件で」とお伝え下さい